日本のしきたり豆知識一覧
仏壇と日常生活~仏壇とは何か②~
仏壇のある生活
仏壇は、単に仏事を営むときに必要な小道具ではありません。
先祖を中心とした暮らしをおくるために、また、充実した精神生活の中核としても必要なのです。
仏壇を中心とした家庭生活では、家族の全員がそろって毎日礼拝することが理想的ですが、社会全般が多様化した今日ではきわめてむずかしいことといってよいでしょう。
朝の一刻にしても、父親と母親はもちろんのこと、子どもたち……
仏壇と日常生活~仏壇とは何か①~
仏壇の起こり
一般家庭に仏壇を祀ることをすすめたのは天武天皇で、聖徳太子の没後六十年、
詔をもって「諸国家毎に仏舎を作り、仏像および経を置き、礼拝供養せよ」といわれたことが『日本書紀』に見られます。
この詔によって、どの程度仏壇が普及したかははっきりしませんが、この時期の古文書にあらわれる「土壇」がそれに当たるところから、
当初は現在のような木造りの立派なものではなく、土を……
法事を営む~塔婆供養②~
塔婆供養は事前に申し出ておく
板塔婆の表には、経文や題目、戒名など、裏には起塔の年月日、施主の名が書かれます。
この文字は僧侶が一枚一枚書かれるものですから、塔婆供養を行いたい場合は、あらかじめお願いしておかなければなりません。
法事の当日に申し出ても間に合いませんから注意してください。
塔婆供養をするのは、法事の施主にかぎりません。兄弟をはじめ、法事に参列する故人の縁故者……
法事を営む~塔婆供養①~
年忌法要には卒塔婆を建てる
浄土真宗を除くほとんどの宗派では、法事の際に、菩提寺の僧侶に書いていただいた卒塔婆(板塔婆)を仏前に立て、次いで墓に移して建てます。
これを「塔婆供養」といいますが、仏に対する供養によって、その功徳を回向するためです。
卒塔婆は、お釈迦さまの遺骨(舎利)を埋めて聖地のしるしとしたのが原型であるとせれています。のちには三重塔や五重塔へと変化しましたが、
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法事を営む~お斎の席での作法③~
返礼品をくばる
返礼品は、お斎が終わりに近づいたころを見計らって出しますが、接待係が一つずつ、膳の前に置いていくか、
各人に直接手渡します。盆などに積み上げたまま、順番に配っていくのは作法に反しますから注意してください。
参列者のほうも、返礼品が出されたことによって、お斎がそろそろ終わることを理解し、それ以上のお酒などはひかえましょう。
お斎は僧侶の合掌一礼で終わります。施……
法事を営む~お斎の席での作法②~
食事の作法は僧侶にしたがう
宗派によっては、食前食後の御文章を唱えることがあります。
その場合は合掌して拝聴するようにします。単に「頂戴いたします」「御馳走さまでした」と合掌されたときも、参列者もそれにならって合掌しましょう。
ただ漫然とお斎にはいり、また終わることがないように、僧侶がそれとなく支持してくれるわけですから、すべてそれにしたがうことです。
しかし、食事に入った……
法事を営む~お斎の席での作法①~
お斎の席の正客は僧侶
自宅で法事を営んだ場合は、故人の遺影が飾ってある仏間でお斎をとるのが望ましく、一同そろって会食することで供養にもなります。
この席での正客は僧侶ですから、必ず仏壇の前、つまりその部屋の正面に座っていただくことが大切です。おもてなしをする意味で、
施主は僧侶の隣に席をとりますが、家族は下座に座るのが礼儀です。参列者は故人と親しかった友人から年齢の順に座ればよい……
法事を営む~寺院で営む法事④~
施主は早めに出向いてあいさつをすませる
施主は、参列者よりも早めに寺院に到着して、僧侶へのあいさつをすませておきましょう。
もし、問い合わせておきたいことがあれば、このときにたずねておくことです。
予定の時刻になると、本堂に案内されますから、着席して僧侶の入堂をしずかに待ちます。
読経にはじまり、焼香、法話の順ですすむことは、自宅で営む場合とまったく同じです。法事が終了した……
法事を営む~寺院で営む法事③~
施主は当日のスケジュールを組んでおく
自宅以外の場所で法事を営んだり、お斎の席を設ける場合、施主はその所要時間をできるだけ細かく計算して、
しっかりしたスケジュールを組みたいものです。法事を開始する時間が早いと、遠方から参列する人が困りますし、
遅すぎるとお斎を終えて帰るときには夜になってしまうことになります。
そこで、次のように所要時間を計算してみます。まず、参列者が寺院……
法事を営む~寺院で営む法事②~
寺院へ持参するものは?
法事の会場へは、いろいろと持参するものがありますから、あらかじめ準備しておきましょう。
故人の位牌、供物、数珠、墓参りのときに供える線香、ロウソク、マッチ、花、供物、参列者への返礼品、
僧侶へのお布施、卒塔婆料、心づけなどです。
寺院の内陣に飾る供え物は、寺院側に依頼しておけば用意してくれますが、その場合には施主が実費を支払うことになります。
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