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豆知識

2023年9月25日


『葬儀の意義』②~会者定離は永遠の真理~

〇葬儀とは?

一般に「葬儀」といわれている言葉は、葬送儀礼を略したものです。

つまり、故人への尽きない惜別をともないながら、彼岸(永遠の世界)へ見送るための、人生上もっとも重要とされているセレモニーです。

仏教の始祖、お釈迦様の葬儀は、古代インドの理想の王といわれた転輪聖王てんりんじょうおうの凱旋のごとくであったとされています。

それはお釈迦様の遺言に基づいて執り行われたものですが、お釈迦様の死生観を如実に語っているものといってよいでしょう。

仏教徒にとっては、この世における役割を果たし、その生涯を閉じるときには、涅槃の都への凱旋にふさわしい葬儀を営むのが理想なのです。

いい替えれば、「死」は生命の本源にたちかえることを意味しているのです。

悲観にくれながらの葬送は、人生の終局にふさわしいものではないと考えられています。

この世において、たとえ他人に対して迷惑をおかけた人でも、また、親に先立つ不孝を背負った子どもでも、仏の慈悲の目から見れば、

死者はそれぞれ人生の役割を果たしてきた者ばかりです。生命の根源にかえる凱旋という意識をもって葬送すべきであるというのが、仏教における葬儀です。

ちなみに、聖王が所有していた七つの宝の一つに「輪宝」があり、外敵の中を回転して粉砕したという故事がありますが、仏法を世界に広めた釈迦の生き方が、

あたかも輪宝のようであったところから、その説法を「転法輪」といいます。