仏壇と日常生活～仏壇とは何か②～

仏壇のある生活

仏壇は、単に仏事を営むときに必要な小道具ではありません。

先祖を中心とした暮らしをおくるために、また、充実した精神生活の中核としても必要なのです。

仏壇を中心とした家庭生活では、家族の全員がそろって毎日礼拝することが理想的ですが、社会全般が多様化した今日ではきわめてむずかしいことといってよいでしょう。

朝の一刻にしても、父親と母親はもちろんのこと、子どもたちの生活のリズムもかなり異なりますし、職業によっては、同じ家に暮らしながら、

父と子が顔を合わせる時間がほとんどないことさえふしぎではない家庭があるくらいです。

しかし、こういう日常のなかでこそ、仏壇を中心とした生活に深い意義が生まれるのです。たとえ親子がいっしょに仏壇の前で合掌する機会がなくても、

それぞれが朝夕先祖に対して感謝の手を合わせる習慣が家庭の中にあれば、必ず心かようものが生まれるはずです。

また、小さいうちから水や仏飯を供えさせる役を子供にあたえるのも、きわめて有意義なしつけになるでしょう。

最初は形式的な行為でも、礼拝する生活がつづいていれば、感謝という心の営みが、いつか身についてくるからです。

次回・・・仏壇と日常生活～仏壇はいつ求めたらよいか～